住宅ローンについて調べると、制度や控除の説明はたくさん出てきますが、「実際にどう決めたのか?」というリアルな体験談は意外と少ないと感じました。

この記事では、私たち家族がマイホームを購入するまでにやった準備や学び、そして実際の行動を、エピソードを交えて紹介します。
どうして家を買おうと思ったの?
もともと「いつかはマイホームを」と考えていた私たちが動き出したのは、夫の友人が新築を購入したことがきっかけでした。
その友人が購入した分譲地に空きがあり、軽い気持ちで見学に行くと、「ご主人と同じ職業の方がこの家を買っているので、ローンも問題ありませんよ!」と営業さんから強く勧められました。
家の価格は5000〜6000万円ほど。見た目は理想的でも、住宅ローンの知識が全くなかった私たちは、「このまま決めて大丈夫?」という不安が大きくなり、いったん持ち帰ることに。

ここから、本格的な家づくりと資金計画の勉強がスタートしました。
マイホームハイを防ぐために勉強!
最初は中古物件も見学しました。ある物件に気持ちが盛り上がったのですが、帰宅して冷静に考えると、築年数や断熱性、リフォーム費用など不安要素が多く、「今すぐ決めなくてよかった」と思いました。
そこからは、ひたすら情報収集の日々でした。
勉強して分かったのは、最初に提示された試算がいかに危ういものだったかということ。ボーナス払い前提、低金利の想定、月々の支払額を家賃程度に見せて不安を和らげていたことなどが見えてきました。

家を買うということは、単に「家を選ぶ」ことではなく、将来の生活や働き方を見据えたライフプラン全体を考えることだと気づいたのです。
共働き前提のローンに不安を感じた
正直なところ、他の家庭の内情までは分かりません。ただ、紹介された夫の友人が「お金の不安はあるけど、いい家を買った」と話していたことが印象に残っています。
その奥さんは「専業主婦になって、子どもとの時間を大切にしたい」と思っていたのに、住宅ローンのためにフルタイムで働くことになったと聞き、私は強い違和感を覚えました。
わが家は、私のフルタイム復帰は考えておらず(少なくとも子どもが中学生になるまでは)、できるだけ子どもと過ごせる時間を確保したいという夫婦共通の思いがありました。
資産的にもある程度余裕があったため、無理のない範囲で家計を計画し、私は家事育児を中心に、時短勤務や在宅などで無理のない働き方を選択することにしました。

住宅ローン控除が終わるタイミングで一部返済も視野に入れており、今ある資産は投資で運用しつつ、返済のタイミングを見て対応する予定です。
お金の話をパートナーと共有
夫はお金に関する知識がほとんどなかったため、私が学んだことをかみ砕いて共有しました。
一緒に将来の支出や貯金のシミュレーションを確認しながら、何度も話し合いを重ねたことで、「考えてくれてありがとう。」と夫も心から感謝してくれました。

将来何が起こるかは分かりませんが、「自分たちで納得して決めた」経験が、今の安心感につながっていると感じます。
家計の把握が大前提
FPに相談する前に、まず大前提として、生活費や家計を把握していることが必要です。
わが家では、私が家計と資産運用を担当しており、「年間これくらい生活費が必要で、収支はこのくらい」というおおまかな計算ができていたので、FPさんとの相談もスムーズに進みました。
家計管理には、家計簿アプリ「マネーフォワードME」を活用しています。クレジットカード払いが多いので、銀行口座や証券口座と連携して、資産全体を“見える化”しておくように整えていました。
まずは、現在の生活スタイルと収支を把握することが、住宅ローン設計の第一歩だと感じています。

家計管理の考え方は、YouTube「両学長 リベラルアーツ大学」の『お金の大学』を参考に整えたのも大きな助けになりました。
FPに相談してよかったこと
住宅会社から紹介されたFP(ファイナンシャルプランナー)はお断りしました。住宅会社に都合のいい提案をされそうだったからです。
その代わりに利用したのが、マネーフォワードの「無料FP相談」。ここで出会ったフリーランスのFPさんは、保険紹介会社に所属しつつも、「どういう報酬形態なのか」を事前にきちんと説明してくれる方でした。
事前に保険についても調べていた私は、「この保険を紹介してくれたら信頼できる」と思っていましたが、まさにその通りの提案だったため、住宅ローンやライフプラン、保険全体も相談するようになりました。
初回相談では、現在の生活費、収入や金融資産、今加入している保険内容に加え、物件の検討エリア、子どもの進学プラン(私立 or 公立、大学は下宿かどうか)など、将来のライフプランもかなり細かくヒアリングされました。
そのうえで、教育資金・住宅ローン・老後資金なども含めたシミュレーションを提示してもらえたので、こちら側としても判断材料としてとても参考になりました。
オンラインで完結し、LINEで気軽に連絡できるのも子育て世帯にはありがたいポイントです。さらに、自動車保険について「ネット契約の方が安いですよ」と教えてくれるなど、無理な営業もありません。

FPさんを「信頼して丸投げ」するのではなく、「自分たちで判断するための材料を提示してくれる存在」として活用しています。
無理のない住宅ローンにするために
FPさんからは「4500万円までは問題ない」と言われましたが、私たちは夫婦で話し合い、自分たちで返済する住宅ローンの上限を4000万円に設定しました(親からの援助は別枠で考えました)。
そして、実際に借りたのは3600万円。結果的に、引っ越し後の家具・家電購入や、仲介手数料・火災保険などの初期費用にも対応でき、無理のない家計運営ができています。
親にも早めに相談していたため、相続税がかからない範囲で援助してもらえることになり、頭金としてそのまま活用しました。

「借りられる額」ではなく「返せる額」で判断して本当によかったと思います。
「せやま基準」で暮らしやすさをチェック
私たちはまず、「せやま基準」のチェックリストを活用して、夫婦で優先順位を共有しながら話し合いを重ねました。
生活を想像しながら、「ここは絶対に必要」「ここは妥協してもいい」などを明確にし、何度も意見をすり合わせていきました。
その後、実際にいくつかの物件を内見し、最終的に柔軟な提案ができる工務店と出会えたことで、建売だけど間取りの相談が可能な家を選びました。
住宅性能については、「せやま基準」で目安とされているレベルを参考にしながら、「長期優良住宅」を条件に設定しました。ちょうど「子育てエコホーム補助金」の対象にもなったので、申請も無事に通り、費用的にも助かりました。
Ua値やC値といった専門的な数値については、YouTube「せやま大学」の動画がとても分かりやすくておすすめです。
間取りが決まってからは、「マイホームクラウド」という3Dシミュレーションサービスを使って、生活動線や家具の配置を具体的にイメージしながら夫婦で再検討。
視点を切り替えてキッチンからの眺めやリビングでくつろぐ感覚なども確認できたので、実際の住まいをイメージしやすく、結果的に完成した家もほぼイメージ通りになりました。
その結果、住宅会社との認識のズレも少なく、専門的な話も理解できる程度には夫婦で事前に勉強していたので、「進めやすい」と言われました。
重視したのは以下の点です:

見た目より「暮らしやすさ」に焦点をあてたことで、自分たちらしい住まいが実現できたと感じています。
最後に:これから家を買う人へ
家づくりを振り返って、「やってよかったこと」をまとめました:
家を買うというのは、人生を設計することでもあります。事前準備をしっかりすることで、家族にとってベストな選択ができると思います。
私たちの体験が、これから住宅購入を考える方のヒントになれば嬉しいです。